オモロイ映画でっせ。
見て感じて考えて楽しめますわ。
(見る前)
シリーズ第三作やし、結構年数たってるし、ロックバンドが再結成したのを聞いてがっかりするのと
同じようながっかり感かなあっちゅう気もしたが、「鉄男は作るたびに何かをやり残した感じがする」っちゅう塚本監督のコメントを読んで、ほなら観てみよかと。そやそや上映時間が2時間やなくて90分ちゅうのも気に入った。
(観てる時)
ああ、がんばってはるなあと。前二作に負けずの緊張感、より多くの人に訴えようとする編集、絵とセリフと音楽をギリギリまで削ってストイックに「何か」を追求する、この世界観はええわあ。すんなり入れる。
(見た後)
こりゃまだ続きそうやなと。「何か」を掴みかけてはこぼれ落ちるようなもどかしさとまだ何かあるぜ的な期待感。
(翌日の感想)
都市と肉体は塚本監督の一貫したテーマ。
はて?都市ってなんやろね、、都市っちゅうのはおっさんやろか爺さんやろか、若いもんなんか、、。思うに都市開発っちゅう延命措置で無理やり生きながらされている後期高齢植物人間ちゅう気がするわ。ほんまこのまんま「生かす」のが本人のためなんかなあと。ある意味、都市の「破壊」は、その安楽死なんかもしれんな。どっちええかわからんが、自分が都市やったら「逝か」せて欲しいな。
ほんで、肉体。ところで「心の闇」ちゅうのは便利な題材や。歌でもドラマでドキュメントでも何でもそれなりに「ヒューマニズム」に訴えてそれなりに商業的な利益が見込めるからなあ。他方「肉体の闇」はどうやろか。ある日自分の肉体が鉄に変わるっちゅう
のが鉄男シリーズのキモ、そやけど突飛で非現実的とはちいとも思わへん。知識や情報で肉体を「健康」管理できるちゅう思い込みのほうがよっぽと突飛で非現実的と思うけどな。肉体の闇の向こうに歓喜の光が待ちわびているちゅうロマンが好きですわ。しょせん心なんちゅうのは、肉体の現象のひとつやのに、なんか「心」が特別な地位に奉られるっちゅうのは気持ち悪いで。
そやそや鉄男はアイアンマン2と対比するとオモロイかもしれませんな。
ほなら